KTRラボ

NZ 日本 自分が気になることやデザインのことなど 1986年産まれ

Builder Learning#5 パースの描き方について

今日はパースの描き方について。

 

パースとは

パースとは、建物の外観や室内を立体的な絵にしたものです。
一定の図法によって描いた透視図(Perspective drawing)のことで、立体的に表現することで 、図面などではわかりにくい全体のイメージを表現します。未完成物件の完成予想図として用いられます。
建物の外観を描いたものを「外観パース」、室内を描いたものを「内観パース」といいます。図面をもとに描き起こしているので、全体像をイメージするうえで役立ちます。最近ではCG加工したり、よりリアリティをもったパースが登場しています。ただし、外構植栽などは実際とは異なります。また、パースにはかならずその旨が表示されています。

 

ざっくり言うと、スケッチですね。

 

ネットでいろいろな教材など見てみると、ある重大なことに気がつきました。

 

パース=Sketch upなんですね。

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この手順、まさにSketch upですね。

 

現場に事情でいきなり変更が必要になり、オーナー(施主)の決断をすぐに確認する必要がある場合など結構あります。

けどオーナーは仕事で現場にいない。電話や写真だけじゃなかなか伝わりづらい。

 

そんな時、自分は手描きパースを利用しています。

まだ人に見せれるような質ではないですが、認識ミスでせっかくの建築が台無しになっては元も子もない。

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このような連絡系統を取って、お客様と認識の相違が起きた事はありません。

うまい、下手 ではなく ポイントはしっかりと肝の部分が伝わっているか。

 

とにかく人にしっかりと伝わるパースを描くために大事な事

 

1、感情移入し、紙の中にいる自分の視線をしっかりと意識する。

2、決めた一点からの距離感を意識する。

3、自分の家だと思って描く。

 

自分はこれに尽きると思っています。

 

1億円もかけた自分の家が変に建ってしまう、思っていたのと違うディテールになってしまう。と思えば必死でなんとか伝えようとするはず。

その心意気がパースに現れるように頑張っていこうと思います。

 

未来は明るい!!

 

Builder Learning#4 Floor and wall framing basic

非常に面白い資料を見つけた。

 

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アメリカ海軍の建築コースの教材。

 

詳しすぎる。笑

 

ものすごくわかりやすい!

 

 

そもそもアメリカ海軍は建築の知識も勉強するのかと。

日本はどうなんだろ。

 

戦地の見知らぬ村にベースキャンプを建築する、もしくは現地調達で簡易の宿泊施設などを建築することを想定してのマニュアルなのか。

 

まぁ、とにかくこれは自分にとってこれから将来ずっとバイブルになるであろう一冊。

 

今日はその海軍マニュアルの中からFramingです。

 

やはりビルダーといえばFraming。

 

まずは各パーツの名称から。

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ここで重要なパーツの名称を。

 

Studs...【建築用語】スタッドとは?間柱のこと。北米のツーバイフォーはスタッド(間柱)の間隔がフィートインチモジュール(406ミリピッチ)であるのに対し、日本は尺モジュール(455ミリピッチ)です。

 

Soleplate...構造物側につける沓板。

 

Joist...床板を支持するため床板に直角に配した水平材。木造建築では一般に大引 (最下階床の場合) ,あるいは床梁 (最下階以外の床の場合) の上に直角方向に架け渡すが,ころばし床では玉石またはコンクリートスラブの上に直接根太を置くこともある。

 

Sill...木造建築において,柱の下部を連結する水平材で,基礎の上に載せる。柱と同寸法ないしは少し大きい角材で,湿気に強く腐りにくいアスナロヒノキケヤキなどの材を用いる。風力によって上がったり地震のときに基礎からずり落ちたりしないように,アンカーボルトで2~3mおきに基礎に固定する。

 

Anchor bolt...機械・柱・土台などを据えつけるため、コンクリートの基礎などに埋め込むボルト基礎ボルト

 

このマニュアル、本当に詳しくて実際NZでも教本みたいなのはあるんですがこれの方が何倍も見やすい!そしてビルダー向けではなく建築専門知識が無い海軍の人向けなので、わかりやすくまとめられいる!

 

これは楽しい。

 

次回はWallのFraming!!

 

未来は明るい!

 

 

Sketch up#2 スケッチアップ 図面からの立体書き起こししてみた

今日は練習ということで実際の図面から立体に書き起こしてみた。

 

新築 フロア面積140m2  木造2階建

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今日はフレーミングまで。

 

練習なので壁厚90は今回は無視してます。

 

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所要時間は35分。

 

寸法も概ね合っています。

あとはここからディテールの修正で大体1時間くらい。

 

今のスピードであれば140m2の図面、1階部分だけで2時間という計算になります。

 

繰り返していけば半分くらいまで短縮は可能。

 

 

うん、いいですね。

 

なんなら見積もり後にネット環境のあるカフェに行けば速攻見積もりと一緒に3Dを提案できる。

 

やっぱりSketch upは楽しい。

 

そしてこの汎用性の高さに大きな可能性を感じてしまう。

 

まぁどのソフトも使い込んでいくと一長一短なんでしょうが、自分にはSketch upが直感的で一番しっくりきますね。

CADのような独特の縛り感は感じないです。

 

明日は詳細を仕上げていきます。

 

未来は明るい!!

Sketch up#1 スケッチアップだけで建築設計をする手順

Sketch upに関して面白いページを発見した。

 

意外と知らない!スケッチアップだけで建築設計をする手順 | 建築プレゼンの道標

 

今はプレゼン用はpro9を使ってるんですが、基本使っているPCがmacなので出来ればSketch upで立面とプレゼン一気にやりたいなーと思っていたのです。

 

といことでSketch upの可能性に関してまとめてみたいと思います。

 

まぁ基本的な操作は出来ていたんですが実際調べてみると、、、

 

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Sketch up さすが。

 

これも

 

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これも

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これも!

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Auto cadを設計担当が持っていて、個人的に買おうか迷っていましたがさっと買うのは高すぎる。設計担当としてずっとやっていくならを話は別ですが、

自分は設計だけではないし、こんな素晴らしいソフトがもうあるのなら、これを極めない手はない。

まずはSketch upをもっともっと掘り下げることにしました。

 

ということで、今日は練習として自分の家を立体化してみることにした。

 

まずは基本設定から。

ツールバー配置はこんな感じ。そんなにこだわりはありません。

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そして基本設定はこのページを参考に。

Sketch Up で3D(箱形建築)

 

ということで1時間くらいで大枠は完成した。

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もう少し精度を上げてここまで30分で出来れば、例えば見積もりに行ってFirst hearing後、48時間以内に見積もりとラフな2D、3Dのコンセプトデザインを提案できる。

そしてpro9のように日本規格しかなく妥協することもなくなる。

 

これは強い。

 

今現在NZのbuilderでこれほどのサービスを実現できている会社は無い。

これを規格化してキッチン、バスルームのオプションを選べればそのまま同じプラットフォームでクロージングまで行くことも可能になる。

 

ワクワクしますね。

 

Sketch up、もっと勉強しよう。

 

 

未来は明るい!!!

 

 

Builder Learning#4 What are the Basics of Retaining Walls? 擁壁について

Retainig wall = 擁壁

盛土切土された地盤支える壁のこと。高低差のある土地造成する場合によく用いられる。

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傾斜地の建築が多いNZではこのRetaining wallの工事は非常に多いです。

特にオークランドだとNorth shoreなど傾斜地が多い地域の現場ではRetaining wallの工事が多いです。

 

今日はこのRetaining wallの種類と用途について。

 

Retaining wallですが、ただ単に壁を作って土を止めているわけではありません。

高ければ高いほど垂直、水平両方向から土の圧力が壁にかかってくるため、その圧力に耐えうる強度の工法、マテリアルで作成しなければいけません。

 

そもそも圧力の計算式はこんな感じ。

 

<流体の場合> 密度を62.4 pcf(pound per cubic feet)と仮定する。

  1. 1' down from top of wall=1' x 62.4  lb/cf  = 62.4 lb/sf
  2. 5' down from top of wall=5' x 62.4 lb/cf  = 312 lb/sf
  3. 10' down from top of wall=10' x 62.4 lb/cf  = 624 lb/sf

 

1 feet(0.3m) あたり62.4 lb/sf= 304.6 kg/m2

要するに1.5mのretaining wallにかかる圧力は

312 lb/sf = 1,523.32 kg/m2

 

なんと1m2あたり1.5tの圧力がかかる計算になります。

 

しかしこれは流体の場合。

 

土の場合は少し違います。

 

こんな感じ。

密度を105 pcf(pound per cubic feet)と仮定する。

Vertical:

  1. 1' down from top of wall=1' x l05 lb/cf  = 105 lb/sf
  2. 5' down from top of wall=5' x 105 lb/cf  = 525 lb/sf
  3. 10' down from top of wall=10' x 105 lb/cf  = 1050 lb/sf

   Horizontal: (against wall)

  1. 1' down from top of wall=1'x 105 lb/cf  x 3 = 35 lb/sf
  2. 5' down from top of wall=5 x 105 lb/cf  x 3 = 175 lb/sf
  3. 10' down from top of wall=10 x 105 lb/cf  x3 = 350lb/sf

 

1.5mを基準に考えると

垂直方向にかかる力は2,563.27 kg/m2

水平方向は1/3の854.4 kg/m2 となります。

 

ここでのポイントは

 

1、圧力の高い順番はこう。

土の垂直方向>流体>土の水平方向

 

2、土の水平方向の圧力は垂直方向の1/3

 

これくらい抑える感じで問題ないかと思います。

 

NZではこれら土地に関する構造計算などはGeotechnical engineerの管轄になります。

Geotechnical engineering - Wikipedia, the free encyclopedia


 

そしてそのRetaining wallの種類。

 

大きく分けてこの3つ。

これらの特徴の詳細はこちら。

 

CANTILEVER: 特徴

・低コスト、少ないコンクリ量で出来る=正確な耐久力計算が必要

・25 feetほどの高さが必要な場合に適している。

・工場プリキャストか現場打ち

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GRAVITY:特徴

・10 feetくらいの高さが必要な場合に適している。

・コンクリ量が多くなるので基本的に補強なしでOK

・基本現場打ち

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BASEMENT WALLS:特徴

・家の構造(耐荷重性)に関係するため、プランに沿った綿密な構造計算が必要。

・basement wallsにもいくつか種類がある。

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これらRetaining wallの違い、圧力計算の基礎など基本的なことを知っておくことは現場をマネジメントする上では基本中の基本であり、非常に重要になります。

 

Geotechと話すとき、作業員と話すとき、施主様に説明するとき、これらのポイントを押さえてなければ完璧なマネジメントは出来ません。

 

土地を制するものは現場を制す。

 

未来は明るい!!

 

Builder Learning#4 Septic tank(汚水処理タンク) について

今回はSeptic tankに関して。

 

日本ではなかなか馴染みのないこの排水システム。

NZでは結構あるんです。

 

わかりにくいと思うのでざっと説明します。

 

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生活排水を一旦地下のタンクに貯めて、バクテリアに作用によりScum(浮きクズ)とLiquid sewage(汚水)とSludge Solids(沈殿)に分解させてから排水へと排出するシステム。

 

そもそもこのシステムにする利点は?

 

・環境に優しい=バクテリアによる下水処理なので、不必要な科学物質による処理が必要なくなる

・インストール費用が安い

・水道代が削減できる

 

詳しくはこのリンクに書いてるので、もっと知りたい方はこちら

 

 

環境先進国であるNZでは一般家庭でもけっこうSeptic tank systemを導入しています。

 

 

今日はこのSeptic tankの実際のインストールに関して。

このシステムを導入する場合、Drainage companyに依頼することになります。

 

日本では地方自治体の定める指定排水設備工事事業者でなければ工事自体できないみたいですね。

東京都指定排水設備工事事業者

 

NZでは通常の一般企業が家のオーナーの依頼によって普通に工事します。

 

基本的には穴を掘って、タンクを埋めて、パイプをつなげる。

これだけなんですが、各ステージでいくつかポイントがあります。

 

基本的には『勾配』と『インスペクション(監査)』が重要です。

 

 

1, Comply with state and county health regulations and obtain any required permits.

工事前に国の法令などに従って必要な許可を取る。

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・建築に関してNZでは日本よりも細かく建築許可が必要になります。

なんか変なところが細かったり、意外なところが大雑把だったりとなかなか大変です。

 

またその現場の状況によって条件もそれぞれ違うので、Septic tankに関してもその都度、対応する市の役所(city council)に行き、やりたい工事に必要な書類や申請内容を確認する必要があります。

 

2, Plan for the flow to go downhill, as this is exactly what a gravity fed system is all about.

重力に逆らわず、流れが下方に行くようにラインをプランニングする。

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まさに重要ポイント『勾配』ですね。

逆に傾斜地にある現場などで排水が上方にしかない場合、septic tankからポンプで汲み上げて上方へ流す場合もあります。

 

3, Excavate a hole large enough to set the concrete aerobic tank below ground.

タンクの下にコンクリを敷く必要があるので、少し大きめに穴を掘る。

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 ここでよく起きがちなミスとして、タンクの容積と同じ立米数で土撤去の依頼をすると、その計算よりも多く土が出てしまうことになります。

タンクの容積よりも多く土が出ることに注意。

 

4, Place (in most jurisdictions) "inch-and-a-half washed drain rock" from a nearby gravel pit around the pipe.

パイプの周りには1.5インチの洗った石(規定のもの)を使う。

これは パイプの位置を安定させるためです。

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5, Install a pump chamber after the septic tank.

ポンプのための空洞(pump chamber)をインストールする。

j浄化された排水を排水パイプへ送るためにここでパンプします。

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6, Cover the tank and pressurized lines once the inspector has given his final approval and the system is activated.

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Back fillしタンクを埋め、最終的な専門インスペクターの許可をもらう。

ここで受理してもらうために、開始前の段階で専門家の意見を聞き自分のプランで問題ないか確認しておく。というアクションが必要になります。

 

例えば全て作業が完了しても、ここでFailedするとまた最初から全てやり直しになってしまいます。

そのあたりはNZは結構厳しいです。

 

ということで今日はSeptic tankの設置に関して少し詳しく説明しました。

 

正直言って、ここまで知ってなくてもseptic tank systemやsewerage systemの工事は問題なく進みます。

しかし、知っていながら依頼するのと何も知らずに依頼するのでは何か問題が起きた場合のリカバリーに大きく差が出てきます。

 

Project managementはリカバリーセンスが命。

 

未来は明るい!!

 

Builder Learning#3 Soil compaction 土の圧縮について

基礎コンクリートの段階で出てくる土地の圧縮。

 

日本では基礎に関わる土木分野に関しては特別に地業と呼び、施工とは区別される専門職的な扱いで大工さんなども指示はほとんど出したりしないと聞くが、

NZやアメリカの建築に関して言えば他の業者と同じ扱いで普通にFoundation guyなどと呼ばれ、基本的に現場を仕切るmain builderが指示をして進めていく。

 

NZではRaft foundation (日本では、べた基礎)が一般的である。

 

わかりやすく基礎コンクリの流れをざっと紹介します。

 

Excavation→Site survey(Grand floor level)→Compaction (soil,gravel etc)  →Footing→Compaction (soil,gravel etc)→Concrete slab foundation

 

となります。

 

簡単に言うと

 

掘って、整えて、固めて、流す です。

 

 

実際のFoundation planはこんな感じ。

 

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これらの作業の中で今回は土の圧縮に関して。

 

土を圧縮する場合にどのぐらいの水分量が一番適切なのか?

 

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ズバリ 14% !!!

 

なんかピンと来ませんが、、

 

10kgのお米に1.4Lの水を含ませる感じ。

これで炊いてもカチカチですね。笑

 

 

おそらくNZのfoundation guyはこのような含有量は全く気にせずcompactionしていますね。確実に。

 

と言っても現場で含有量を測っている現場監督がいてもちょっと嫌味な気もしますが。笑

 

知識として知っていて損はないので、現場であまりにも水分量が多い時や、乾燥しすぎている時はできるだけ14%に近づけた状態でcompactionするように心がけようと思います。

 

 

未来は明るい!!