Builder Learning#10 Pro9での3D提案 と NZ建築の現状
今回はPro9の3Dに関して。
3Dツールに関しては、このブログでSketchupは結構紹介しています。
Sketchupは米Trimble社が開発・提供している3Dモデリンググソフト。元は米@Last Softwareが開発、2006年にGoogleが買収、2012年にTimbleが買収。
建築以外にもいろいろ使われています。しかも無料配布しているので世界中でいろいろなものに使われています。もちろんプロも同じものを使っています。
一方Pro9はメガソフト株式会社が開発・提供している一般住宅専用の3Dモデリング・プレゼンテーションソフト。
完全に日本のハウスメーカーや設計事務所向けに作られています。
基本的にプレゼンを前提として設計されているので尺は結構ラフな感じです。
そして基本、家具や設備系もリストから選び、大きさなどは変更可能。
なので一からイメージを作るというよりはシルバニアファミリーで遊んでるようなそんな感じです。
しかしこのプロ9の良いところは建築家が開発に協力しているので痒いところに手がとどく感じがすごくいいです。
開口部の装飾や部材のオプションなどただ多いだけじゃなく、いろいろな角度のお客さんに対応出来る仕様になっています。
では実際にどんな感じか説明を。
操作は結構簡単です。
クリック、ドラッグで部屋を追加。
壁を削除。
窓・ドアを配置。
設備・家具を配置。
色や部材など詳細の修正。
これでOKです。
あとは3Dボタンをクリックすると作った図面で3Dを作ってくれます。
ここで屋根など自動で生成されるものに修正を加えれば3Dも完成。
こんな感じで。
一番良いのは、短時間でプレゼンレベルまでの3Dを用意できること。
見積もり前後の段階でラフにでも、可視化した状態で提案できる。
やはり建築激選区日本ならではのソフトですね。
さらにこのPro9が良い理由。
プレゼンボード機能。
テンプレートに出来上がったパース、3Dをプレゼン資料にドラッグするだけでプレゼン資料ができるという。
ただこれは日本語なのでほとんどのテンプレートが使えません。笑
白紙にドラッグして英語で入力して、、とここは結構手作業です。
まぁそれを差し引いてもかなり良いです。
やはり見積もりと一緒にここまでの提案資料を用意できれば成約率は大幅に変わってきます。
特にNZでここまでの提案をしている会社はほとんど無いです。
ほとんどの会社が現地視察から一週間くらい経ってから金額と作業名だけが載ったExcelの見積書のみ。
今オークランドは住宅バブル。
ビルダーは完全に売り手市場なのでそれでもお客さんは来るんですね。
ただ今の状況だけ見て、横柄な仕事をしていてもそのうち状況が変わればポイっと捨てられてしまうのは目に見えています。
実際に一昨日このような提案を視察から48時間以内にお客さんに提案したところ、
20万ドルの改築に即決を頂きました。
逆にこのような状況だからこそ、お客さんは真剣に自分の家に向き合ってくれるビルダーや設計を探しています。
よく聞く話で、リノベも新築もビルダーは件数勝負になってくる上に、もともと国民性的に大雑把なところがあるので日本人の目から見るとかなり手抜きに感じる工事が多いです。
ひどい場合はやり掛けた工事でレギュレーション違反、準備不足、知識不足、努力不足で現場が膠着してしまい、そのまま逃げる。といったビルダーは結構います。
契約前は自信満々に『No problem』
契約後現場が止まると『忙しい、このミスは俺らの責任じゃない』と言って終わった工事の分だけお金を払わせ逃げる。
聞いていて泣きたくなるほど情けない事が実際にかなり起きています。
本当に情けないですね。
お客さんは当然泣き寝入りです。
このようなお客さんを一人でも無くするように
NZの建築業界を少しずつでも良く変えていけるように
日本人として誇りを持ってみんなが幸せになるような提案をしていけたらなと思っています。
未来は明るい!