Builder Leaning#17 スマートハウスについて調べてみた
NZでもじわじわ人気の出て来ているスマートハウスについて調べてみた。
スマートハウスとは
スマートハウスとは、IT(情報技術)を使って家庭内のエネルギー消費が最適に制御された住宅。 具体的には、太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー機器、家電、住宅機器などをコントロールし、エネルギーマネジメントを行うことで、CO2排出の削減を実現する省エネ住宅のことを指します。
家で使われる家電、設備をすべて管理・コントロールできる環境にやさしい家 というかんじでしょうか。
調べてみると自分が思っていたよりもテクノロジーは進んでいる印象ですね。
これはSamsungが去年発表している内容ですが、基本家の家電でコントロールデバイスと互換性があるものであればコントロールできるようですね。
テレビ、窓の開閉、ブラインド、照明、ドア、洗濯機、冷蔵庫、ルンバ、ガレージドアなどなど
中でも驚いたのは車ですね。Puck me upと時計に話しかけるだけで自動でガレージからでて家の前で待っていると。
今年のAuckland Home Showにもこのスマートハウスのシステムの会社の出店も増えてきている印象です。
ただ実際の現場の声を聴いていると、まだなかなか浸透できていない印象を受けます。
要因として考えられるのは
・デザインのオプションがあまりない。
・デバイスを同一ブランドで統一しなければいけない。
これらのディスアドバンテージを克服するようなプロダクトが出てくると爆発的に人気になる可能性を秘めていますね。
Appleもios10にデフォルトアプリとしてHOMEというスマートハウス向けのインターフェースを追加しましたし、今後はなるのも時間の問題かもしれません。
なんか行き過ぎ感も否めませんが、個人的にはアナログよりもエネルギー効率がよく環境にもやさしく、光熱費も抑られて、便利というサービスであれば悪いところはないと思います。
ユーザーが増えれば開発側ももっと本質的にユーザー寄りのサービスを提供できるようになるでしょうし。
映画のなかだけの存在だった近未来の世界もそう遠くないですね。
コブラのような世界になるのは個人的には少し楽しみです。
未来は明るい!
Sketch up#4 スケッチアップにCAD図面を取り込んで3D化
今回は久々にSketch upです。
CADやその他の図面データをSketch upに取り込んで、そこから立体にしていきます。
これはSketch upの素晴らしいところですが、ほとんどの拡張子と互換性があります。
CADの形式dwgはもちろん、pngやjpgなどなどかなりカバーしています。
まずファイル→インポートでCAD図面を選択。
これで簡単にインポートできます。
そこからは通常通りプッシュアップ、フォローミー、カットを使って立体化していきます。
引き上げて、消して、修正。
高低差や仕舞いなど細かい部分の仕上げをしていきます。
業者にもお客さんにもやはり立体を含めて提案していくと認識のミスなどはほぼなくなります。
そして頭にあるイメージなど言葉では具現化しにくいアイディアを共有するには最適なツールですね。
Sketch up、やっぱりいいですね。
未来は楽しい!
Builder Learning#16 Finishing for floor -Timber floor - NZのティンバーフロア
フローリングの仕上げについて。
床に使われる部材としてはティンバー、タイル、カーペット、ラミネートティンバーなどなど用途やデザインに応じていろいろあります。
今回はティンバーフロアに関して。
Strip flooringという部材が一般的です。
サイドが凹凸になっており、へこんでる部分をGroove, 出っ張っている部分をTongueと呼びます。
これらをシンプルにはめ込んでいく感じです。そしてこれらをフィニッシングネイルで打っていきます。
木材の種類としては
Kauri, Rimu, Matai, TawaなどNZ固有のものも多い。しかし大半が伐採禁止の木材になっているのでかなり高価になっている。
そのほかにもAmerican Oakなど一般的な部材やVitex, Kwilaなどのハードウッドも人気である。
Kauri
Rimu
Matai
Rose wood
American oak
Vitex ( Vitex cofassus )
Kwila
NZは木材が豊富でかっこいい床の家が多い。
特に古い家のカーペットなどを剥いでみるとリムやカウリなど今ではめずらしい渋い床の家がたくさん存在する。
木は切られてもなお呼吸し、NZ原種の木は存在感が強い。
このような素晴らしい木材が使われた家をしっかりとメンテナンスし、後世に残していきたい。
未来は明るい!
Builder Learning#15 Interior Finishing 1 内装仕上げ1
今回は内装の仕上げに関して。
基本的にフレーミング~ペイント前までの作業になります。
Pre piping , Pre wiring →support timber →Insulation → Underlay →GIB fix → Plaster
大体こんな感じです。
ポイントは内装全てを完成から考え、きれいな収まりにするための準備。
窓やドア、コーナーなどジョイント部分をしっかりと収めます。
NZではビルダーもしくはハンディマンと呼ばれる人たちがする作業になります。
とくに窓、ドアジャム、巾木など開口部やエッジの収めは非常に目立つ部分になるので、その職人さんのスキルが重要になります。
フィニッシングをサラッとスマートに仕上げる職人さんはかっこいいですね。
そして、この部分はお客さんに一番見える部分になるのでクオリティチェックをしっかりと行うことが大事です。
それまで大切に作った家もフィニッシングがボロボロですべてが台無し。というケースはNZでは結構あります。
工事側からしたら何百件のうちの一件でも、お客さんにとっては一生に数回、下手すれば一生に一度の瞬間を少しの差で台無しにしては悔やんでも悔やみきれないですね。
全ての現場でお客さんが惚れ惚れするような仕上げをしていく。ビルダーの使命ですね。
未来は明るい!
Builder Learning#14 Plumbing system 排水システムについて
今日はドレイン関連について。
ライフラインの中でも非常に重要な部分になってくる排水。
排水システムが壊れてしまうと、現代のおいては基本的に生活できなくなってしまいます
ということで大まかな排水システムに関して。
生活排水に関しては家の中の排水管を通って地中のSanitary sewerへと流れていきます。
NZでよくある排水問題のうちの一つに、木の根が地中のsanitary sewerを突き破り、トイレなどが流れなくなってしまう問題があります。
実際にこれは私の家でも起きました。
どうやって解決するかというと、内視鏡のようなスコープでブロックしている場所を特定し、その部分のコンクリートを上から切断。ブロックしている部分のみ配管を交換。という感じです。
お気付きの方もいると思いますが、『他の部分も木の根が成長し、配管を突き破るのではないか』
その通りなんです。
その場合はまた同じ作業をすると。
ただ費用面を考えてもこれが一番現実的な対策なんです。 メイン管から引き込んでいる部分のパイプ全交換は大規模な工事になります。
さらに気を根から取り除くのはさらに大きな掘削作業が必要になります。
再度根がつき破ったら、泣き寝入り。まぁ仕方ないといえばそうですが。
排水システムのうちのもう一つ。雨水管。
こちらは屋根の雨水をgutterを通し、downpipeからstorm wasteへと流していく。
その際の問題が起きる部分はgutterのつまりに寄るバックフロー→屋根からの雨漏りですね。
NZは背の高い木が多く、よくgutterに落ち葉が溜まってしまいます。
定期的に掃除をするオーナーさんならいいのですが、5年も10年も放置している家などはもうgutter本来の機能は果たしていません。
そして雨季の強い雨などで屋根とgutterの境界から家の内部へと雨水が侵入。
見事にカビだらけ雨漏り住宅へと成り果ててしまいます。
生活排水と雨水。
しっかりとメンテナンスをし、気持ち良く過ごしていきたいですね。
未来は明るい!
Builder Learning#13 Basic Door Designs ドアの種類
今日はドアの種類。
ドアに関して普段はあまり深く考えないと思います。
そこにあるのが当たり前となっている、ドア。
しかしそのドアですが実は結構家のイメージを左右するんです。
かなりスタイルも多く、ドアを変えるだけでガラッとイメージの違ったリノベができたりするんです。
侮るなかれドア。
まずは基本的な種類から。
言われてみると、結構ありますよね。
基本的に空間を仕切るために設置されるドア。
しかし場所によっては採光をしたい、光は取りたいが中を見られたくない、風の流れを止めたくないなど様々な理由でドアは選択されます。
つまり、そこにある理由が常に存在するんですね。
家にあるドアを見て、なんでここにこのドアが存在するんだろう。と考えてみるのも面白いと思います。
さらには片開き、両開き、玄関ドア、室内ドア、室外ドア、ガレージドア、片引き、両引き、襖、押入れなどなど
ざーっとサンプルを並べてみると結構可愛いですよね。
こんなにあると逆に迷いますね。
次回はドアの据え付けです。
未来は明るい!
Builder Learning#12 Insulation 断熱材に関して
今回は断熱材に関して。
日本では基本的にどの家にも完備されているであろう断熱材。
NZも現行のルールでは屋根裏の断熱材は必須になりましたが、NZでは古い住宅がまだまだたくさんあるので断熱材が入っていない家、いっぱいあります。
特にオークランドは冬は一番寒くなっても10度前後。
さらに外国人は日本人に比べて基本的に体温が1−2度高いということで、断熱材がなくても意外と住めます。すごい寒いですが、、まぁ住めるレベルです。
けど、暖かいに越したことはない。
ではその断熱材、どんな効果があるのか?
そして色々な種類の中から選ぶ基準は?
まずは断熱材の効果。
1, 熱を閉じ込める
断熱=熱を閉じ込める
魔法瓶みたいなものですね。
暖かいものはずっと暖かく、冷たいものはずっと冷たい。
したがって部屋の温度を一定に保つことが出来る=省エネ。
2, 温度差で生じる結露がなくなる=カビ防止、害虫防止
二重窓と同じで外気と内気の間に断熱の層ができるため、結露がなくなります。
また床下なども結露がなくなり乾燥するのでカビやシロアリなどの害虫が嫌う環境になります。
それではこの断熱材、どんな種類があるのか。
まずその前に断熱こうかを示すR-Valueについて。
R-Valueとは。
R-Value 熱抵抗(R値):熱の通りにくさを表す数値です。
したがって、数値が大きいほど、その部位の断熱性能は高いことになります。
同じ断熱材を用いる場合、厚く施工した方が熱抵抗は大きくなりますし、同じ厚さでも熱伝導率の
小さい材料を用いた方が熱抵抗は大きな値となります。
つまりR-valueが高いものほど断熱効果は高い。
1, Fiberglass batt insulation グラスファイバー
R-Value : 3.5
一般的なもの。素手で触るとチクチクします。そしてグラスファイバーが肺に入ると肺炎になる危険性もあるのでマスク、メガネ、防護スーツをつけてインストールします。
2, Molded expanded polystyrene foam board (EPS) ビーズ法発泡スチロール
R-Value : 4
サーフボードにも使われているEPSと呼ばれるエポキシ樹脂を加工した素材です。
断熱効果はグラスウールよりも高いです。
3. Extruded expanded polystyrene foam board(XPS) 押出発泡ポリスチレン
R-Value : 5
EPSよりも密度が高く、断熱効果は高い。
4. Polyisocyanurate foam board ポリイソシアヌレートフォーム
R-Value : 6.5
XPSよりさらに密度が高い。
アルミのシートでカバーされたフォームで、断熱効果は極めて高い。
断熱材はやはり快適な居住空間にはなくてはならない存在ですね。
そして湿気や害虫など家にとってダメージになるものも防ぐ=家を長持ちさせる
など家にとって利点はかなり多いですね。
ネックなのは費用。
床下や屋根裏であればただ入るだけでインストールできますが、外壁になると壁を開けなければいけません。
なので小さい穴からでも入る吹き付けフォームタイプなどを使いますが、当然費用は高くなります。
おおよその相場ですがグラスファイバーの断熱材を一般的な3ベッド、150m2くらいの家に床下と天井に断熱を入れた場合、おおよそNZD$3,000-NZD$4,000くらいでしょう。
ただ断熱材に関しては切ってはめ込むだけの、簡単な作業になるのでDIYでインストールするKIWI(NZ人の現地での呼び名)は多いです。
材料代のみなのでかなり削減はできるでしょう。NZは週末に家族みんなでリフォームという家も多いDIY大国ですから。
ただチクチクには注意。
未来は明るい!