Builder Learning#11 Roof framing2 屋根フレーミング続き
今日は屋根のフレーミングの続き
オーバーハング部分の2パターンのRafterのジョイントの仕方
1、Rafterをfinish wall手前で止め、Look outsによってオーバーハングさせるタイプ
2、RafterをFinish wallの縁で止め、Outriggerとジョイントさせることでオーバーハングさせるタイプ
この辺りまで行くとかなりマニアックな部分になってきます。
実際に自分はまだこの辺りのフレーミングの現場は担当していないので、早くその時が来るのが待ち遠しいですね。
そして均等なヒップループを上から見たダイアグラムです。これはなかなかわかりやすいですね。
均等スパンのIntersecting roofの構造のラフ図。渋い。
非均等スパンの場合
形はどのように変化しようとも基本的に
Rafter同士が垂直or水平に交わること。
規定のピッチが取れていること。
これらが重要ですね。
屋根の組み方としてトラスという組み方もあります。
トラスの構造に関して。
トラスとは?
三角形を基本として組み合わせた構造。
三角形の各頂点に圧縮と引っ張りの力のみが生じ、お互いが打ち消しあう形で強度を上げている。
この工法を利用した屋根も多い。
Top chord, Bottom chord,Short web, Long webで構成されている。
屋根は家の中でも水と一番直接的に接する部分なので特に注意が必要になる。
新築、改築問わず屋根の構造を熟知することは、重要なファクターになってくる。
構造や屋根問題のソリューションなどさらっと質問に答えれるとかっこいい。
未来は明るい!
Builder Learning#10 Pro9での3D提案 と NZ建築の現状
今回はPro9の3Dに関して。
3Dツールに関しては、このブログでSketchupは結構紹介しています。
Sketchupは米Trimble社が開発・提供している3Dモデリンググソフト。元は米@Last Softwareが開発、2006年にGoogleが買収、2012年にTimbleが買収。
建築以外にもいろいろ使われています。しかも無料配布しているので世界中でいろいろなものに使われています。もちろんプロも同じものを使っています。
一方Pro9はメガソフト株式会社が開発・提供している一般住宅専用の3Dモデリング・プレゼンテーションソフト。
完全に日本のハウスメーカーや設計事務所向けに作られています。
基本的にプレゼンを前提として設計されているので尺は結構ラフな感じです。
そして基本、家具や設備系もリストから選び、大きさなどは変更可能。
なので一からイメージを作るというよりはシルバニアファミリーで遊んでるようなそんな感じです。
しかしこのプロ9の良いところは建築家が開発に協力しているので痒いところに手がとどく感じがすごくいいです。
開口部の装飾や部材のオプションなどただ多いだけじゃなく、いろいろな角度のお客さんに対応出来る仕様になっています。
では実際にどんな感じか説明を。
操作は結構簡単です。
クリック、ドラッグで部屋を追加。
壁を削除。
窓・ドアを配置。
設備・家具を配置。
色や部材など詳細の修正。
これでOKです。
あとは3Dボタンをクリックすると作った図面で3Dを作ってくれます。
ここで屋根など自動で生成されるものに修正を加えれば3Dも完成。
こんな感じで。
一番良いのは、短時間でプレゼンレベルまでの3Dを用意できること。
見積もり前後の段階でラフにでも、可視化した状態で提案できる。
やはり建築激選区日本ならではのソフトですね。
さらにこのPro9が良い理由。
プレゼンボード機能。
テンプレートに出来上がったパース、3Dをプレゼン資料にドラッグするだけでプレゼン資料ができるという。
ただこれは日本語なのでほとんどのテンプレートが使えません。笑
白紙にドラッグして英語で入力して、、とここは結構手作業です。
まぁそれを差し引いてもかなり良いです。
やはり見積もりと一緒にここまでの提案資料を用意できれば成約率は大幅に変わってきます。
特にNZでここまでの提案をしている会社はほとんど無いです。
ほとんどの会社が現地視察から一週間くらい経ってから金額と作業名だけが載ったExcelの見積書のみ。
今オークランドは住宅バブル。
ビルダーは完全に売り手市場なのでそれでもお客さんは来るんですね。
ただ今の状況だけ見て、横柄な仕事をしていてもそのうち状況が変わればポイっと捨てられてしまうのは目に見えています。
実際に一昨日このような提案を視察から48時間以内にお客さんに提案したところ、
20万ドルの改築に即決を頂きました。
逆にこのような状況だからこそ、お客さんは真剣に自分の家に向き合ってくれるビルダーや設計を探しています。
よく聞く話で、リノベも新築もビルダーは件数勝負になってくる上に、もともと国民性的に大雑把なところがあるので日本人の目から見るとかなり手抜きに感じる工事が多いです。
ひどい場合はやり掛けた工事でレギュレーション違反、準備不足、知識不足、努力不足で現場が膠着してしまい、そのまま逃げる。といったビルダーは結構います。
契約前は自信満々に『No problem』
契約後現場が止まると『忙しい、このミスは俺らの責任じゃない』と言って終わった工事の分だけお金を払わせ逃げる。
聞いていて泣きたくなるほど情けない事が実際にかなり起きています。
本当に情けないですね。
お客さんは当然泣き寝入りです。
このようなお客さんを一人でも無くするように
NZの建築業界を少しずつでも良く変えていけるように
日本人として誇りを持ってみんなが幸せになるような提案をしていけたらなと思っています。
未来は明るい!
Builder Learning#9 Roof framing 屋根のフレーミング
今日は屋根のフレーミング。
普段あまり気にしない屋根。
実際自分の家の屋根がなんという屋根の形状でどのように作られているか知っている人はごく少数でしょう。
それでは屋根の形状から。
Gable roof (切妻屋根)... 屋根の最頂部の棟から地上に向かい、2つの傾斜面が本を伏せたような山形の形状をした屋根である。建築物の平面形状が四角形の場合、切妻屋根を用いると2面だけで屋根が構成されるため、ローコストで雨漏りの心配が少ない屋根形状といえる。
Hip roof (寄棟造)... 建築物の屋根形式のひとつで、4方向に傾斜する屋根面をもつものをいう。広義では同様の屋根をもつ建物のことを指す。屋根の形式を指す場合には、単に寄棟ということも多い。
Intersecting gable... ゲーブルルーフの複合屋根。
Shed roof or Lean-to (片流れ屋根)... 片流れ屋根は、切妻屋根を棟の沿って真っ二つに切断した形状の屋根です。
そういえばこんな屋根ありますよね。
そして次は構造です。
構造の中で大事なのは傾斜と接合部分です。
ピッチはcouncilのroof inspectionでも厳しく見られる項目です。
規定の傾斜がない=水が流れないので水漏れの原因 ということで屋根のマテリアルによって規定の傾斜角が決まっています。
このピッチ、基本は高校の数学でやった三角関数です。
そして屋根の構造部分の名称です。
Rafters(垂木)...屋根板を支えるため、棟から軒に渡した木。
Ridge board(棟木)...母屋や桁と平行に取りつけられる屋根の一番高い位置にある部材です。
Purlin(母屋)...母屋(もや)は、屋根の最も高いところにある棟木と、平行して配され、軒桁との間で、垂木を支える部材のことです。
今日は各部分の名称などをまとめました。
新築以外ではあまり関わることのない屋根の構造ですが、雨仕舞いの要である屋根は構造も複雑で建築の中でも非常に重要なパートになります。
しっかりと基本構造を理解し、把握しておくことは現場管理でも重要です。
次回、屋根の構造 詳細編です。
未来は明るい!!
Sketch up#3 スケッチアップで業者ごとのプラン作成
今回はSketch upを使って業者ごとのフロアプランを作ります。
実際に業者としてはオーナーサイドもしくはメインビルダーがしっかりと見積もり段階で詳細のプランを出してくれるとすごく助かると思います。
新築や大規模改築でBuilding Concentがある場合は詳細がしっかりしていますが、BC無しのリノベーションの場合は基本的に業者ごとのプランは作成しないことがほとんどです。現地確認→マテリアル確認→取り付け前現地確認→完成時確認 とプランを作成しないので手間がかからないと思いきや現場での確認が増えるので最終的に結構手間がかかります。
しかし最初の段階で20分くらいの時間を使い、しっかりとすべての指示を乗せたプランを作っておけば現地確認→完了時確認で終わりです。
業者はプランに沿ってやるだけなので、責任の所在もはっきりして双方にとってプラスな仕事となります。
では実際に書きかたの説明。
書き方はいたってシンプル。
作成したフロアプランの尺を消します。
ElectritcianやPlumberの作業としてはprepare work(pre-wiring, pre-pipong)と実際のinstarationになります。
しかしどちらもフロアプランに乗っている尺は使わないので削除しましょう。
むしろ添付のようなnogやstudsの位置の詳細を渡してあげる方が親切です。
towel hangerや壁取り付けタイプのVanityなどの設置はGIBボード、ペイントが終わってからになるのでサポートの位置を事前に記録しておかないと取り付けの時にどこかわからず無駄な穴を空け、追加のプラスター仕事をしなければいけなくなってしまいます。
ということで自分が電気屋さんに渡すLighting planはこんな感じで作っています。
これらもSketchupだと20分以内で出来ます。とにかく簡単かつ速い。
CADもいいですが、これくらいの施工図であれば自分はSketchupをお勧めします。
サブコンもメインビルダーも誰もミスをしたい人はいません。
それでも出てしまうのがミス。
しかし大半のミスはほんの少しの工夫でほとんが無くなります。
みんなですべて作業に関して共通認識を持っていればそのミスも減っていきます。
ミスなしでハッピーな現場は仕事も楽しくなります。
未来は明るい!!
Builder Learning#8 Window and Door framing 開口部のフレーミング
今日は窓とドアのフレーミングの詳細について。
まず、窓やドアに関しては専門業者が枠が付いた状態で作ってくれます。
ビルダーワークとしてはその出来上がった状態の窓やドアに合わせて開口部を準備し、設置する。
そしてその開口部の準備や設置に少しポイントがあります。
建物内側から見た詳細。
建物外側から見た窓の詳細。
特に注意する点は、
・サッシの外サイズと開口部のtrim size
・フラッシング
・ジャムの水平、垂直
オーダーの時点で認識に違いがないように業者と上記の点を確認し、最終の収まりがどうなるか確認んがとれた段階でOKを出すようにしないと結構ミススすることが多いです。
業者任せにしてしまうと、間違ったサイズで来ても責任を取るのは窓業者ではなく確認しなかったビルダーのせい。となりますので笑
そこからオーダーしても早くて5週間などざらにあります。
本当かどうかはわかりませんが、窓業者はいつもbusyだと言います。笑
新築の場合は窓に合わせて開口部を一から作るのであまりオーダーミスはありませんが、改築の場合に既存の開口部に合った窓をオーダーするためサイズ感はかなり重要になってきます。
まぁちゃんと頭にイメージがあってそれをちゃんとした形で相手に伝えれば問題はないでしょう!
窓で家の印象は大きく変わります。新しくかっこいい窓をインストールし、家に命が吹き込まれるようなあの感じが自分は好きです。
未来は明るい!
Builder Learning#7 Make a quotation 実際の見積もりの作成
今日は現場の見積もりに関して。
どの業者でもまずはじめにする基本の活動ですね。
『見積もり』
ただ行って尺を測って金額を伝えるだけでは、何の意味もない。
というのは皆さんもご承知のことだと思います。
見積もりに行くと仕事をした気にはなりますが、契約が成立して初めて仕事ということになるので見積もりに行っただけではまだ何もしていないのと同じ。
ということで自分が気をつけている見積もりの手順です。
1、ドローイング 10分
できるだけ現場で書いてしまいます。線はぐちゃぐちゃで良いのでとにかく寸法と間取りと特徴、必要事項、印象など行って取れるだけの情報を一回でしかも短時間で集める。 写真に撮ったり動画に残して後で作業しようとすると結局ものすごく時間がかかります。現場にいる間に終わらせる。
イメージも記憶も魚も新鮮なうちがやはり一番です。
2、微妙なところはまずはラフに 1時間
人間関係でもそうですが、いきなりギチギチに質問したり決めつけて話してりしていると嫌われてしまいます。見積もりも人間関係と同じだと思っています。
お客さんは正確な金額や仕様よりもまずはざっくりどのくらいお金が必要なのか知りたい。そんな感じだと思います。そしてそれを元に話していく中で出会いや別れなど人間劇場が繰り広げられて契約へと進んでいく。
まぁ自分はこんな感じに思っています。それくらいに考えてる方が楽しいですから。
3、Sketch upで2D→3D 2時間
現場で書いたラフパースと寸法で2D、3Dに落とし込んで行きます。
ここで書いたものはBuilding Concent Planなどがない場合の業者指示の時に非常に使えます。elec,plumberなど家全体に対してタスクがある業者に渡すとmain builder とSub間で相違がなくなるので意味のないミスが無くなります。
そして見積もりに3Dが付いてるとクライアントの反応が全然違います。
その後お客さんと金額、デザイン、ディテールを詰めていく。
もうここまで来たら他社に流れることはまずないでしょう。
ざっとこんな感じです。
そして他社の見積もりとどこが違うのか。
ズバリ『心意気』です。
お客様の要望と予算だけを聞いてできることをやろうとする人はたくさんいると思います。けどそれでは自分たちがわざわざやる必要性がなくなってします。結局価格のみの競争という寂しい結果になってしまいます。
そこでこの家族が今後どのように生活していくのか、それにあたってこの家の立ち位置はどのようなものになって聞くのかを話の中からキャッチして予想の3倍の見積もりを提出する。
金額だけでなく、将来この家が家族とどのように付き合っていくか連想できるような見積もり、見積もりをしたことでその家に対する見方や接し方が変わるような温かみのある見積もり、そして関わった人全てがハッピーになる見積もり。
ここまで出来る日を夢見て。
未来は明るい!!
Builder Learning#6 Wall framing basics 壁のフレーミング
今回は壁のフレーミングに関して。
NZでは基本的にアメリカと同じ2x4(ユーバイフォー)工法です。
アメリカでは木材のサイズは2"x4"= 38mm x 89mmです。
しかし実際の2"は50mmです。
なので木材を実際のインチにあわせると50mm x 100mm。
この理由は1940年代の建築ラッシュ以前には50mm x 100mmの木材を使っていたそうです。しかし住宅供給の増加で木材不足が発生したので元の規格よりも小さくし木材不足を軽減した。という歴史があったそうです。
詳しくはこちら。
NZはアメリカと違い45mm x 90mmが2"x4"の規格になります。
Rough sawn(のこ引き仕上げ)は50mm x 100mm。
Mchine gauge(機械仕上げ)は45mm x 90mmになります。
基本的に林業が盛んで木材がふんだんにあるからでしょうか。おそらく。
これらが壁のフレーミングの概要になります。
Top plate...A member on top of a stud wall on which joists rest to support an additional floor or to form a ceiling.
Studs...A vertical member of appropriate size (2" x 4" to 4" x 10") (or 50 mm x 100 mm to 100 mm x 250 mm) andspacing (16" to 30") (or 400 mm to 750 mm) to supportsheathing or concrete forms.
Clipple studs...In construction framing, members that are less thanfull length; for example, studs above a door or below a window.
Diagonal brace...A member installed at an angle to make a rectangularframe more rigid.
Header (or Lintel ) ...A horizontal supporting member, installed above an opening such as a window or a door, that serves to carry the weight of the wall above it.
Bottom plate...A member on bottom of a stud wall.
やはりこのようなフレームの構造を見るとワクワクしますね。
現場の匂いがして、『男の仕事』という感じがします。
次回はWal framing 続編 Corner post, Door and Window opening
未来は明るい!!